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2023年1月13日現在
(今後改訂される場合があります)
2022年4月から生殖補助医療が保険でできるようになりました。
それまでは、生殖補助医療治療はすべて自費診療だったため、治療費は全額自己負担でした。しかし、健康保険の制約がないため、診療回数、投薬、治療方針などは日本産科婦人科学会などのガイドライン内であれば自由に行うことができました。治療費が保険適用になりますと、
自己負担額は3割ですので、そのメリットは大変大きいものとなりますが、保険診療には制限やルールがありますので、全てを保険診療の範囲で行うことには限界もございます。
患者さんには健康保険での生殖補助医療と自費診療の違いについて十分にご理解頂き、ご承知の上で選択し、治療方針を相談させて頂くことになります。
<注意>
生殖補助医療を健康保険で行う場合は、治療周期毎(採卵周期や胚移植周期毎)に毎回「生殖補助医療治療計画書および誓約書」への署名が必要で、御夫婦同伴での来院が毎回必須となります。御夫婦同伴での来院ができない場合は、治療はできません。
保険診療 | 自費診療 | |
---|---|---|
メリット | ・自己負担金が少ない(消費税非課税) ・保険費用はどのクリニックでも同じである |
・ほとんど制限がなく、治療の自由度が高い (オーダーメイドの治療ができる) ・最新技術を用いた治療が受けられる |
デメリット | ・治療の全てに制限やルールがある ・規格内の治療となる ・保険の改訂により、制限やルール、診療金額などの変更が頻回におこる ・自費診療と 併用ができない (混合診療の禁止) |
・治療費用が高額である(消費税の課税対象です) ・クリニックにより治療の料金が異なる ・保険診療と 併用ができない (混合診療の禁止) |
保険診療では、決められた治療薬や量、決められた検査回数内で治療をすることになります。
そのため、今まで使用できた治療薬が使えない、採血や超音波の回数が制限されることなどの制約があり、患者さんによっては、治療薬の投与量や検査回数が不十分であった場合でも、規定内で対応しなくてはなりません。
厚生労働省・社会保険支払基金より、保険診療周期の診察では、いかなる場合も「保険診療と自費診療の混合診療」を行ってはならないと厳しく指導されております。
したがって、保険で行っている治療周期においては、以下の治療行為は行えませんのでご了承ください。
(今後改訂される場合があります。下記以外にも制限される可能性や制限が緩和される可能性もありますのでご了承ください。)
自費による生殖補助医療の場合は、制限を一切受けませんので、それぞれの患者さんにオーダーメイドの最適でハイレベルな医療を提供することができます。
当院で2011年から2021年に自費診療での生殖補助医療の採卵1回目の妊娠率を示します。
患者さん個人個人に最適な治療を提供していた時期の成績で、高い妊娠率であることが示されています。
未だ保険診療として認められていない先進的な医療技術などについて、費用は自費ですが、保険診療との併用が認められている医療のことです。当院でもSEET法、二段階胚移植、タイムラプスを用いた受精卵の培養、ERA検査、EMMA/ALICE検査が保険診療と併用して受けていただけます。